【現役プロ解説】衛生的な引越しを実現するために当日やるべきこと

【現役プロ解説】衛生的な引越しを実現するために当日やるべきこと

引越し業者を選ぶなら、
品質を重視したい・衛生的な引越しで気持ちよく新生活を始めたい
そう考えながら、引越し準備を進めていませんか?

実際、引越しの衛生面に不安を感じている依頼者はとても多く、
「本当に清潔に作業してもらえるのか?」という声を現場でもよく耳にします。

僕は2020年から引越作業員として、
大手・地域密着業者あわせて3社で3000件以上の現場を経験してきました。
その中で断言できるのは、
引越しの品質は業者名ではなく、担当する作業員で決まるということです。

衛生意識の高い作業員もいれば、
残念ながら配慮に欠ける作業員がいるのも現実です。

この記事では、
引越し当日に依頼者がやるべきことに絞って解説します。
どれも特別な準備は不要で、
少し意識を変えるだけで実践できる内容ばかりです。

「任せきり」にしないことで、
衛生的で満足度の高い引越しは、より確実に実現できます。

【衛生対策】引越し当日に必ず意識したい3つの行動

3つ

衛生的な引越しを実現したい人が、引越し当日の作業中に意識すべきポイントは3つあります。

  1. ① 受け身にならず主体的に関わる
  2. ② 家具移動後のホコリはその場で処理する
  3. ③ 作業員の衛生意識をさりげなく確認する

衛生的な引越しになるかどうかは、
「どの業者・どの作業員を選べたか」が最も重要です。

ただし、どれだけ準備を万全にしていても、当日の立ち振る舞い次第で衛生レベルはさらに高められます。
引越し当日は「任せきり」ではなく、自分も関わる意識を持つことが大切です。

Q部長
Q部長

高品質な引越しは、事前準備の時点で9割が決まります。
残りの1割を左右するのが、引越し当日のあなたの立ち振る舞いです。

① 受け身にならず主体的に関わる

主体的な男女

クローゼットの衣類は、ハンガーボックスと呼ばれる専用資材に移し替えて運搬します。
しかし、作業員が軍手を着けたまま衣類に触れると、汚れが付着する可能性があります。

潔癖気味の方や、大切な衣類を汚したくない方は、
ハンガーボックスへの掛け替えを自分で行うのが最も安全です。

特に以下のようなものは、汚れが付着しやすいため注意しましょう。

  • 👕 衣類
  • 🛏️ 寝具
  • 🧶 カーテン・ラグなどの布製品

これらは作業員任せにせず、自分で扱う、または一声かけるのがおすすめです。

具体例
🔍 ハンガーボックスへの洋服の掛け替え
→ 作業員に任せず、自分で行う
🔍 布ソファ・マットレス・布団
→ 軍手で触れないよう、事前に声かけ

理由はシンプルで、軍手が汚れている可能性があるからです。
実際の現場では、荷物・タイヤ・植木鉢などを触った直後に、そのまま布製品を扱う作業員も珍しくありません。

Q部長
Q部長

意識の高い作業員ほど、家財を見て軍手の着脱を使い分けます。
大物家具は作業員に任せ、直接肌に触れる衣類や布団は自分で扱うことで、衛生面の不安を最小限に抑えられます。

② 家具移動後のホコリはその場で処理する

掃除する女性

前日までにどれだけ掃除をしていても、
冷蔵庫・ベッド・棚などの大物を動かすと、必ずホコリや汚れが出ます。

このタイミングで軽く掃除しておくことで、
新居に汚れを持ち込まず、気持ちよく搬入できます。

逆に掃除をせずに運び出すと、

  • ⚠️ 新居にホコリを持ち込む
  • ⚠️ 汚れたまま家具が設置され、あとから掃除できない

といった状況になりがちです。

一部の業者では簡易的な拭き掃除を行いますが、
すべての作業員が徹底しているとは限りません。
雑巾を渡して「ここ、軽く拭いてもらえますか?」と一言伝えるだけでも安心感が変わります。

おすすめの掃除手順
① 掃除機で大まかなホコリを除去
② 雑巾で拭き掃除
③ 汚れが気になる部分はアルコールスプレーで仕上げ

衛生意識の高い作業員は、大物を動かした際に
「せっかくなので掃除してから運びますね」と、自然に対応します。

Q部長
Q部長

掃除機でのホコリ取りはお客様、仕上げの拭き掃除は作業員が担当するのが理想です。
特に食器棚・レンジ台・冷蔵庫周辺は、アルコールで拭き取ることで汚れがしっかり落ち、新居でも清潔な状態を保てます。

③ 作業員の衛生意識をさりげなく確認する

引越し作業を見守る女性

作業中は、引越作業員に対して以下のポイントをチェックしてみてください。

清潔な引越作業員のチェックポイント

  • ✅ 軍手のまま布製品(衣類・布団・マットレス)を触っていないか
  • ✅ 新居に上がる際、靴下を履き替えているか
  • ✅ ダンボールを置く前に養生シートを敷いているか

業者がサービスとして掲げていても、実際の対応は作業員ごとに差があります。

  • 🙄 忙しさを理由に省く作業員
  • 😏 見られていないと手を抜く作業員
  • 😓 衛生配慮の意識が低い作業員

残念ながら、現場ではこうした差が現れます。

事前に「衛生面に配慮できる作業員」を要望できていれば理想ですが、
当日の様子を見て気になる点があれば、遠慮せず声をかけてOKです。

衛生意識の高い作業員は、自然とこんな声掛けが出ます。

🗨️「ダンボールを置く前に、シートを敷きますね」
🗨️「こちらは布製品なので、カバーして運びますね」

こうした一言があるかどうかで、衛生意識の高さはすぐに判断できます。

ダンボールの底には、保管場所の砂やホコリが付着していることが多く、
そのまま置くと床や家具に汚れが移るためです。

高品質な作業員は、家財の状態を見て適切な梱包・扱い方を選択します。

Q部長
Q部長

引越し当日は、遠慮せず希望や気になる点を伝えてください。
実はその声掛けがある方が、「期待に応えたい」とモチベーションが上がる作業員は意外と多いものです。

【実例】衛生意識の低さが招いた引越しトラブル

トラブルに合う人々

ここでは、実際の引越し現場で起きた
「衛生意識の低さが原因となった失敗例」を紹介します。

ケース①

汚れた軍手のまま布製品を扱い、家財が汚れた例
2日間に分けて引越しを行ったお客様の現場です。
2日目の搬入作業では、トラックから自転車・タイヤ・観葉植物など、汚れやすい物から降ろし、その後に冷蔵庫・洗濯機・ソファ・衣類という流れで作業が進みました。

作業はすべて作業員に任せ、お客様はスマホを見て過ごしていました。
しかし作業後、ソファや衣類に黒く落ちにくい汚れが付着していることが判明。

原因は、
最初にタイヤなどを持って汚れた軍手のまま、布製品を扱ってしまった作業員の配慮不足でした。

これは作業員の衛生意識の低さが招いたトラブルですが、
同時に、お客様側の関わり方次第で防げたケースでもあります。

引越し中、
・スマホを見続ける
・荷ほどきを始める
・外出して不在になる

こうした状態では、作業内容を把握できず、
不衛生な作業が行われるリスクが高まります。

ハンガーボックスへの衣類掛けを自分で行う、
布製品の扱いを確認するなど、
依頼者が少し主体的になるだけで防げるトラブルです。

ケース②

サービスが形だけで、現場では守られていなかった例
「サービスが充実している」という理由で業者を選んだお客様の現場です。
靴下の履き替え、家具の拭き取り、近隣への挨拶など、
魅力的なサービス内容が用意されていました。

しかし当日、担当した作業員は
・汚れた靴下のまま作業
・ホコリをかぶった家財をそのまま搬出
・近隣への配慮や挨拶なし

と、サービスがほとんど実施されていない状態でした。

引越し当日は忙しく、
作業員にその場で強く指摘するのは現実的に難しいものです。
作業員の交代も、ほぼ不可能です。

だからこそ、
引越し当日の「作業員ガチャ」にハズレない対策をとることが大切です。

トラブルを防ぐためにできること

高品質な引越しを実現するには、
当日ではなく見積もり段階での確認が重要です。

  • 🔍 どんなサービスが、どこまで実施されるのか
  • 🔍 衛生面の配慮を徹底できる作業員が来るのか

ここを曖昧にしたまま契約すると、
「聞いていた話と違う」という事態になりやすくなります。

引越し業者が掲げているサービスを
100%現場で実行してもらうためには、業者選びと事前確認がすべてです。

Q部長
Q部長

引越し作業が始まる前に、サービス内容を作業員と軽く確認しましょう。
それだけで、サービスの実施率はほぼ100%に近づきます。

まとめ|受け身ではなく「一緒につくる引越し」

衛生的な引越作業員

この記事では、衛生的で後悔のない引越しを実現するために、当日意識すべきポイントを解説してきました。
大切なのは、次の3つです。

  • ① 受け身にならず主体的に関わる
  • ② 家具移動後のホコリはその場で処理する
  • ③ 作業員の衛生意識をさりげなく確認する

高品質で清潔な引越しは、
業者にすべて任せきりにして完成するものではありません。

「自分も引越しの一員として関わる」ことで、
引越しの質は確実に上がります。

当日は、傍観者ではなく現場を整える司令塔のつもりで行動しましょう。

  • 💡 自分で管理する物と任せる物を分ける
  • 💡 触られたくない物は自分で扱う
  • 💡 掃除は気づいたタイミングで行う
  • 💡 作業員の配慮をさりげなく確認する
  • 💡 気になることは我慢せず伝える

これだけで、引越しの衛生レベルは大きく変わります。

理想の引越しが実現するかどうかは、準備段階で9割が決まります。
そして、当日の行動次第で、その完成度はさらに高まります。

この記事が、あなたの引越しを
気持ちよく、安心できるものにするヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※引越し当日にやるべきことをまとめた記事もあります。
あわせてチェックしてみてください。